首周りの筋肉を付けると、動いていても 表情で印象を残せる
Introduction
首のアイソレーションをやるにあたり、首周り肩周りの筋肉痛に見舞われるかもしれません。
ダンスを踊っていると、こんなにも首の筋力を使うのかと気づかされることがあります。
日常生活では、さほど激しく動かすことのない首ですが、スポーツなどでは視野の確保や踏ん張る際に首は大切な使用部位となります。
首のアイソレーションを練習する際は、激しいスポーツほどの運動強度はありませんが、効率の良い首の動かし方や、リズム感と向き合うことになります。
言い換えれば、練習する事で余裕を持って日常生活での動作を行うことも可能になるはずです。
私自身、首の痛みに苦しんできた経緯がありますが、ストレッチと組み合わせることで痛みは和らぎました。
ダンサーはもちろん、たくさんの方に取り入れて欲しいメニューです。
本記事で学べるダンス情報
- 実施メニューの流れ
- コンビネーションの大切さ
- よく使われるダンス用語
YouTube / SPACE ART Dance TV
実践動画
【アイソレーション】ダンス上達の秘訣!初級コンプリートメニュー
解説動画
【アイソレーション】頭・首編-ダンス上達の秘訣を解説!
解説動画
【アイソレーション】肩編-ダンス上達の秘訣を解説!
解説動画
【アイソレーション】胸編-ダンス上達の秘訣を解説!
解説動画
【アイソレーション】腰編-ダンス上達の秘訣を解説!
本記事は、上記動画とリンクしています。
テキストでは分かりづらいことも動画で確認すればすぐに理解できると思いますので、是非ご覧ください。
※YouTubeで公開前の動画は「非公開」になっています。
メニューの流れ
Menu flow
5パートで構成 直線と曲線を使い分ける
前記事
頭・首編-ダンス上達の秘訣を解説!-01.ポージング&軌道の確認【アイソレーション】
で首の各ポジションの確認を行いました。
本記事では、実践メニューを覚えていきましょう。
メニュー実施を継続して行うと、頭・首の分離をマスターし、必ずダンスの上達に繋がります。
ダンス中級者・上級者であっても、自分のスキルを見直すいい機会になると思います。
また、ダンスを上達したい人ばかりではなく、運動不足解消や、肩周りの筋力を付けることで、コリなどの解消に繋がる効果も期待できます。
それでは、構成をリストで確認した後、各パートの説明をして行きます。
- 難易度1
- パート1:前後1カウント
- パート2:左右1カウント
- 難易度2
- パート3:ボックス1カウント
- パート4:ロール4カウント
- 難易度3
- パート5:&カウントボックス
今回の実施メニューでは、
リズムの取り方が2種類あります。
- パート1〜3は各ポジションでしっかりとストップさせてください。
- パート4では、滑らかに軌道を繋いでください。スローモーションで動作するイメージです。
- パート5では、ストップとスローモーションを使い分けます。
この「リズムの取り方」も非常に重要になってきますので、前提として覚えておきましょう。
パート1:前後1カウント
首を前後に分離するパートです。
胸の代償動作を最小に抑え、顎の上下を見せる!
首のアイソレーションではもっとも取り組みやすい技術と言えるでしょう。
◆準備
ノーマルポジションで準備してください。
ノーマルポジションについては、関連記事・関連動画で確認できます。
ノーマルポジションの説明
◆前後に1cずつ
このパートは4cで1つのブロックになっています。
リストで確認してみましょう
- カウント1:前
- カウント2:ノーマルポジション
- カウント3:後ろ
- カウント4:ノーマルポジション
つまり、
前→真ん中→後ろ→真ん中と1カウントずつリズムを刻むということになります。
◆2エイト継続
上記リストの4カウントを、4回実施します。
これで、2エイトになります。
パート1はこれで終了です。
皆さんは、動画もしくは写真を見て確認することになります。
「右・左」の表記は、実施者の動作ですので、
皆さんのやりやすいように反対で実施していただいても構いません。
ノーマルポジションがとにかく大事!
首だけを分離させるためには、しっかりと自分の体を固定しておく必要があります。
頭・首の分離は、アイソレーションの中でも比較的簡単な技術です。
ノーマルポジションを正しく保つ意識が薄れなければ、こちらのパート1はマスターしやすいと思います。
パート2:左右1カウント
首を左右に分離するパートです。
肩・胸に代償動作が起こりやすいパートです。パート1同様、首のアイソレーションの中では取り組みやすい技術です。
◆準備
パート1の終わりのポジションはノーマルポジションです。
◆左右に1cずつ
このパートは4cで1つのブロックになっています。
リストで確認してみましょう
- カウント1:右
- カウント2:ノーマルポジション
- カウント3:左
- カウント4:ノーマルポジション
つまり、
右→真ん中→左→真ん中と1カウントずつリズムを刻むということになります。
◆2エイト継続
上記リストの4カウントを、4回実施します。
これで、2エイトになります。
パート2はこれで終了です。
やはりノーマルポジションが大事です!
パート1同様、ノーマルポジションを保つことがとても大事です。
肩が動いてしまう可能性が高いので、肩甲骨を下げる意識を、特に強く持つといいでしょう。
パート3:ボックス1カウント
首のアイソレーションをボックスで繋ぐパートです。
パート1とパート2を、しっかりと実施できるようになっていれば混乱することはないはずです。
ボックスとは?
ダンス用語として広く使われる「ボックス」
こちらは、ある4ポジションを順番に繋いでいくことを指します。
アイソレーションだけではなく、ステップなどにも使われます。
「ボックス」というキーワードが出てきたら、
4ポジションを順番に繋いでいく!
と考えておけばいいでしょう。
◆準備
パート2の終わりのポジションはノーマルポジションです。
◆ボックスを1cで繋ぐ
このパートは4cで1つのブロックになっています。
リストで確認してみましょう
- カウント1:前
- カウント2:右
- カウント3:後ろ
- カウント4:左
前→右→後ろ→左と繋ぐことで、四角形が描けました。
これがボックスです。
このパートでのカウント指定は1カウントになります。
◆1エイト切り替え・2エイト実施
上記リストの4カウントを、以下の回転方向で、1エイトずつ実施します。
- 1エイト目:右回転
- 2エイト目:左回転
1エイトで回転方向が変わりますので、注意が必要です。
これで、2エイトになります。
パート3はこれで終了です。
斜めの軌道に注意!
前後に振るパート1と
左右に振るパート2では、
ほんの少しですが、ノーマルポジションを保つためのボディコントロールが変わります。
ボックスでは斜めの軌道が出てきますので、こちらを上手に実施するためには、
パート1・パート2それぞれのボディコントロールを適切に混ぜ合わせることがコツになります。
パート4:ロール4カウント
ボックスでの斜めの軌道を、曲線に変え、円を描くパートです。
パート3での、ポジションと軌道をそれぞれ実施できるようになることはもちろん、そのポジションを曲線で繋ぐ「イメージ力」も大切になってきます。
ロールとは?
「ボックス」同様、「ロール」も広い意味で使われます。
ダンス用語では「どこかの部位を回す」という意味で使われます。
このパート4は、「ヘッドロール」とも呼ばれます。
基本的には、回転(ターン)とは異なり、角度は保たれます。つまり、自分の向いている方向は変わらないということです。
中級・上級では、回転(ターン)と掛け合わせることもあります。
「どこかの部位を回す」ことにつまづく時は、これをボックス=4つのポジションに分解してアイソレーションを形状記憶します。その後、ロールを実施すると、早くマスター出来る傾向があります。
「ボックス」と「ロール」は、関係性の深い技術です。
◆準備
パート3の終わりのポジションは
「右」で終わっています。
◆ロールを4cで繋ぐ
このパートは4cで1つのブロックになっています。
- 1エイト目1c〜4c:前から左回転で一周
パート3終わりでの回転方向を変えずに、左回転で4cロールを行ってください。
◆1エイト切り替え・2エイト実施
以下の回転方向で、1エイトずつ実施します。
- 1エイト目1c〜4c:前から左回転で一周
- 1エイト目5c〜8c:左回転でもう一周
- 2エイト目1c〜4c:前から右回転で一周
- 2エイト目5c〜8c:右回転でもう一周
1エイトで回転方向が変わります。
これで、2エイトになります。
パート4はこれで終了です。
曲線軌道に慣れる
まずは、ボックスがしっかりと出来ている事が大切です。
パート3までと違い、各ポジションでリズムをストップさせる動きではなく、滑らかに繋いでいきます。
回転方向が切り替わる部分が1箇所ありますので、こちらもスムーズに繋げられるように、意識してください。
体の使い方は、ボックスと大きく変わることはありません。
コツとして、各ポジションで首を分離させるために支点を作っています。支点を保つために首の筋肉を働かせていますが、各ポジションで働かせている筋肉も、スローモーションのように「移っていく」意識ができれば、マスターへの近道になります。
パート5:&カウントボックス
ボックスとロールを掛け合わせたパートです。
大きく難易度が上がるポイントとして、ボックスは倍のスピードで、ロールは4倍のスピードで実施することです。
&カウントボックスとは?
「ロール+&カウントでボックスを行う」
正しくはこう表現した方が適切です。
「&カウントボックス」は、SPACE ART内での略称で、1エイトのコンビネーションを指します。
パート5での目的は、初級者から中級者へ成長するための段階を滑らかにすることと、振付で速いボックスやロールが使われるときの対応力を上げることにあります。
このコンビネーションの流れについては、後述します。
◆準備
パート4の終わりは、右回転で前になっています。
◆1エイトのコンビネーションを覚える
このパートは1エイト(8c)のコンビネーションになっています。
- カウント1〜4:左回転でロール
- カウント5〜6:左回転でロール
- カウント6:前ストップ
- カウント6&:左ストップ
- カウント7:後ろストップ
- カウント7&:右ストップ
- カウント8:前ストップ
パート4は右回転で終わり、
パート5は、左回転で始まります。
パート5の説明
◆1エイトずつシンメで実施
上記 1エイトのコンビネーションを、2エイト目はシンメで実施します。
- 1エイト目:左回転
- 2エイト目:右回転
1エイトで回転方向が変わります。
これで、2エイトになります。
パート5はこれで終了です。
シンメとは?
シンメトリーの略です。
ダンス用語では、頻繁に使用されます。
シンメトリー=左右対称
「右のシンメ」は「左」を意味しています。
振付など体の部位指定で使われることもありますし、ステージでの立ち位置などで使われることもあります。
幅広く使われる、ダンス独特のニュアンスがあるので、使用には慣れが必要です。
リズムチェンジと技術の使い分けに慣れる
ダンスをマスターしていくにあたり
・基礎練習(ベーシック)
・振付をマスター
この二つは絶対に必要です。
もう少し広い視野で見ると、基礎練習→振付は、成長するのに滑らかな段階を踏んでいるとは言えません。
例えるなら、子供に包丁の使い方を覚えさせたら、すぐに料理を作らせるようなものだと思います。
基礎練習と振付の間に、
「基礎と基礎を繋ぐ練習」を実施する方がはるかに効率的です。
「コンビネーション」を練習することで、学びの速度は格段に効率化します。
振付では数え切れないほどの「繋ぎ目」が出てきますし、各振付師のニュアンスなども理解し、実施しなければなりません。
考えることがたくさんある訳ですね。
コンビネーションで「繋ぎ目」を練習しておくことで、振付への対応力は必ず付いていきます。
このパート5の目的は、まさに「対応力」のスキルアップにあることを頭に入れた上で、ぜひこのメニューを練習してください。
YUSUKE a.k.a. GEMINI
著者プロフィール
ダンサー,振付師,写真,映像,Web制作 etc…16才ダンスを始める→18才プロダンサーとしてキャリアをスタート→20才独立、SPACE ART結成→24才単独自主公演を制作→
27才スクールオープン→念願だった、指導者・クリエイターとしての活動を中心に現在に至っています。
20代は年間100本強のパフォーマンスを3年間継続、その後も50本ほど出演を継続。
20代半ばから月間で150人以上の生徒を指導。その他、スポーツ・体育授業などの運動関連のコンテンツを指導・コーディネート。
30代から本格的にミュージカル・ステージ・MVなどの振付師として活動。行政関係の式典などの演出・構成やダンススタジオのコンサルティングも少々。
およそ月間200人ほどの生徒を指導した15年間を経て、現在はダンスに関わる技術・思考法の伝承に力を入れています。