ダンス 初心者必見!アップ&ダウンの
解説!-01.ポージング&軌道の確認

ダンス 初心者必見! アップ&ダウン の解説!-01.ポージング&軌道の確認_Howtoアイキャッチ

ダンス 初めの第一歩は アップ&ダウン

Introduction

ストリートダンスを始めるにあたり、まず初めに着手するベーシックの一つとして、
アップ&ダウンからスタートするのはセオリーと言えると思います。
ダンス未経験からのスタートや初心者はもちろんのこと、中上級者や目指すジャンル問わず、アップ&ダウンは何度も何度も積み重ね、深めていくべきリズムトレーニングとなります。

ダンス初心者の「まず初めに何をしたら良いかわからない」「効率よく成長したい」という悩みは、こちらの記事を参考にしていただければ、まず第一歩は踏み出せると思います。
ダンス経験者であっても「伸び悩み」「スタイルの見直し」など、そんなフェーズに一度立ち止まって、原点を見つめ直すのに、お役に立てると思います。

本記事で学べるダンス情報

  • アップ&ダウンのポージング
  • フィジカルの使い方
  • Tipsコーナー ~コツや知識をご紹介~
  • 実践メニューの流れ

YouTube / SPACE ART Dance TV

参考動画

実践動画

ダンス入門編〜毎日2分のルーティーンで
アップ&ダウンをマスター!

解説動画

ダンス初心者必見!
アップ&ダウンの解説!

本記事は、上記動画とリンクしています。
テキストでは分かりづらいことも動画で確認すればすぐに理解できると思いますので、是非ご覧ください。


アップ&ダウン やり方 / 方法を説明

How to

ポージングは7種類

今回は主に、以下の7種類のポジションを使って実践メニューを行います。

  1. ノーマルスタンス
  2. ノーマルスタンス+ダウン
  3. ノーマルスタンス+アップ
  4. 胸のアップ
  5. 胸のダウン
  6. 足踏み+胸のアップ ※右足・左足
  7. 足踏み+胸のダウン ※右足・左足

6番、7番の足踏みポジションでは、右足と左足それぞれのポーズがあります。
それでは、一つずつ解説していきます。

ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoイントロ01_m
ダウンとアップ無くしてダンスは成立しません
ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoイントロ02m
リズム取りの第一歩

1. ノーマルスタンス

pose.1

「ノーマルスタンス」は今回の準備姿勢になっています。
ダンスにおいて、立つことは非常に重要な意味を持ちます。指導する際、立つことへの意識アップを促すために、「ノーマルスタンス」という名称で統一したイメージを持ってもらうように指導しています。
上半身まで指定したポジションを取る場合、ノーマルポジションという名称で呼ぶこともあります。

ノーマルスタンスは以下の2つのポイントで確認をしていきます。

  1. 下半身
  2. 上半身

◆ 下半身を安定させる

スタンス

両足を自分の肩幅くらいに置きます。
初心者のうちは広いスタンスを取ってしまうとバランスが崩れ、本来のリズムトレーニングに集中できないことがあります。
また、狭すぎると上半身の激しい動きを抑え込むことができずに、やはりブレてしまいます。
肩幅程度を基本に、自分の安定する幅に数cm程度ずつ調整していくのが良いと思います。
仕上げに、両足を近づけるイメージで、中央にギュッと寄せるようにします。そうすることで、内ももとお尻の筋肉が締まった感覚が得られれば、体を安定させることができます。

つま先体重

初心者のうちは、リズムを取るときにバランスが崩れやすく「格好いいダンスに見えない」原因になります。
なぜバランスを崩すのか?というと

  • 必要筋力が備わっていない
  • リズムを取るときに、バランスを保てる位置からはみ出してしまう技術的問題

この二種類が考えられます。

当然ながら、これから技術をアップしていくために練習を積み重ねますが、同時に必要筋力も効率よく身につけていきたいところですよね。
これから多くの動きをマスターしていくにあたって、つま先体重でリズムトレーニングをすることで、自然と必要筋力が向上していきますので、強くつま先体重を意識することをお勧めします。およそ、つま先に8割・踵に2割程度からスタートすると良いでしょう。

余談ですが、一流のダンサーは、踵体重を上手に使いこなしています。驚くほど繊細な体重移動で多種多様なニュアンスを表現しています。この辺の裏技みたいなものはまたいつか解説したいと思っています。

◆ 上半身はリラックス

適度な脱力

上半身はリズムを取るために、最低限の力だけを使い、可能な限り脱力をしておくことが大切です。
以下のポイントを、ゆっくりと確認してみてください。

  • 腹筋、特に下腹部に力を入れる
  • みぞおち辺りから上部は、脱力を確認するために前後左右に揺らしてみる
  • この際、下半身まで緩んでしまう人は、下腹部を指で強く圧迫すると下半身と上半身が分離しやすくなります

ダンス上達の秘訣として、下半身と上半身の分離は非常に大切な要素です。
初心者のうちに、この意識を持って積み重ねた人と、「動かし方」ばかりに気を取られて練習した人とでは、ネクストレベルで差が出る傾向があります。
是非、意識しながら効率よく上達して欲しいと思います。

ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoノーマルスタンス04
腹筋から下は安定させて、上半身はリラックス
ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoノーマルスタンス05
下半身が緩むようならお腹を押す

1つ目のポーズ、ノーマルスタンスはこれでOKのはずです。
とても地味ですが、今回の実践メニューでは全てこのポーズが中心になりますし、ダンスを踊るのにノーマルスタンス=自分のスタイルになっていきますので、何度も見直しながら自分のものにしてくださいね。

2. ノーマルスタンス+足のダウン /
3. ノーマルスタンス+足のアップ

pose.2 & pose.3

リズムは

  • 体が下方に対してアクセントを取るとダウン
  • 体が上方に対してアクセントを取るとアップ

になります。
今回のメニューでは、

  • ノーマルスタンスで膝を曲げる=2つ目のポーズ
  • ノーマルスタンスで膝を伸ばす=3つ目のポーズ

となります。
一つずつ確認していきましょう。

足のダウン

ノーマルスタンスをきちんと取った状態で、膝を軽く曲げてみましょう。
体がブレずに、安定しているようであれば、足首に干渉しない程度に、どこまで下へ行けるか確認してみてください。一番下が、最大の可動域となりますが、初心者のうちは、そこまでいくことは出来ないと思われます。膝を伸ばした状態から最大可動域の50%程度のところを、2つ目のポーズとするのが、ファーストステップです。

もちろん、経験者だったり、次のレベルのを目指す人は、60%→100%を目指して、最終的には最大可動域でリズムが取れるようにチャレンジしてみてください。

自分のポーズが決まったら、そこで少しバウンドしてみてください。
ポンポンというイメージで、ちょうどバスケットボールをドリブルする感覚に似ています。膝を柔らかく使うことと、バランスのキープは常に確認してみてください。

これで2つ目のポーズはOKです。

足のダウン姿勢

足のアップ

ノーマルスタンスと足のアップは非常に近いポジションになりますので、違いを理解する必要があります。

ノーマルスタンスは、体の中心に対して、横方向から圧縮していくようなイメージです。

対して、足でアップを取る際は、膝を伸ばした状態から、更に上方へ上げていくイメージになります。太ももの前側に力を入れると、その様な動きになります。この太ももの前方に力を入れることで、リズム=アップのアクセントになりますので、膝の使い方をよく確認してください。

この際、踵体重へ移ってしまい、バランスを崩さないように注意することも意識してくださいね。

これで3つ目のポーズも確認できました。

ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoノーマルスタンス07
足のアップ姿勢

足のみでアップ&ダウンを取るテクニックは、イメージとして膝関節を柔らかく使うことで上手に魅せる事ができます。キッズダンスでは、この足のアップ&ダウンを中心に振付されていることが多いように見受けられますし、JAZZダンスのように、ボディのコア部分をキープするジャンルではリズム取りにこのテクニックがよく使われます。
シンプルなテクニックですが、使い方によっては怪我の防止にもつながります。奥は深いのでマスター必須なポジションになります。

ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howto挿入img01

4. 胸のアップ

pose.4

さあ、いよいよ本格的なストリートダンスの動きに入っていきます。
こちらのテクニックをどれだけ利用できるか?は、その人の表現の幅に繋がってくるので、深める・極めるは大切です。
ジャンルによって、アップ中心なのか?ダウン中心なのか?は分かれてくるところですが、いずれにしても、両方マスターすることは、グルーヴ感にも繋がるので、どちらも練習必須です。

胸を後傾させる

胸を丸めたり、張ったりして傾ける動きを、前傾(ぜんけい)と後傾(こうけい)といいます。これがそのまま、アップ&ダウンの形になりますが、難しい言葉はNGという人のために、順を追って説明するので、ご安心を!

まずはアップの形です。以下の順番でポーズを取ってみてください。

  1. ノーマルポジションを確認
  2. お腹を出来る限り凹ませる
    この際、肋骨を上方へグッと持ち上げる。
  3. 肩甲骨を寄せて更に胸を張る
  4. 顎の先端に鎖骨を近づける
  5. 肩をノーマルポジションに戻し、胸が戻らない程度にリラックスし、腕と胸を分離させる

いかがでしょうか?かなり苦しい形になったと思います。
このポージングは、コアと呼ばれる胴体(ボディ)の筋肉のみならず、内臓筋も使うことになるので、初心者のうちは呼吸も苦しい状態かもしれません。

こうして胸を上方へ上げた形が、後傾といい、そこでアクセントを取れば、アップのリズムになります。
最大可動域が分かったら、およそ80%程度をアップの形としておくと、よりタイトなリズムを刻めます。
同時に、腹筋を鍛えたり、胸部の柔軟性を向上させることも長期的に目指したいところです。

ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoノーマルスタンス08
胸の後傾、ここでアクセントを取ればアップのリズム!

胸のアップは理解できましたか?
筋力が足りないうちは、人の可動域と比べるよりも、自分の目標値をしっかりと定めることが重要ですし、モチベーションにもなります。
一つ、とても大事なことをお伝えします。
このアップの姿勢は腰を反りやすく、間違えた形で覚えてしまうと、腰痛の原因になってしまいます。現時点で腰痛を抱えている方も、以下のポイントを見直して、怪我を防ぐ・怪我を酷くしないためにテクニックを見直すことを重要視しましょう。

  • 腹筋に力は入っているか?足りなければ、筋トレで衝撃に耐えられる体作りを〜!
  • 背中側で一番反っているポイントが、腰になってはいけない。ちょうど肩甲骨の下辺りをピークポイントに持っていくと、腰への負担は減ることになる。

5. 胸のダウン

pose.5

ダンス初心者にとって胸のダウンは非常に難易度の高いテクニックだと感じる人も多いでしょう。例えばキッズダンスから大人の仲間入りを果たす時期だったり、何となく素人っぽい踊りを脱するためにはこの胸のダウンをマスターする壁を超えると、世界が違って見えてきます。
粘り強く取り組めるよう、丁寧に解説していきます。

胸の前傾+腰の後傾

胸の前傾(ぜんけい)と後傾(こうけい)については少し触れましたね。胸のダウンは、胸を前傾させる、つまり猫背のような形になります。
この姿勢にプラスして、腰を後傾させることが難しいポイントになってきます。

少し難しい説明になってしまったので、以下の手順でダウンのポーズを取ってみましょう。

  1. ノーマルスタンスで上半身をリラックスさせる。
  2. みぞおちから上を、お辞儀するように前方へ倒す。この際、背中側は丸めるようにして、目線も地面に落として構いません。
  3. 膝を軽く曲げ、へそをみぞおちに付けるように引き上げていく。お尻をしっかりと締めることがコツです。
  4. 横から見た姿勢が、S字型になっていればOKです。
  5. 最後に頭・首を整えるため、目線を前方へ移します。ただし、ここで姿勢が崩れてしまう人は、慣れるまで目線を落としたままで練習してもいいでしょう。追って、頭部と胴体が分離できるようになったら目線を上げて練習する流れでもOKです。

いかがでしょうか?胸のアップ同様、難しいと感じる人も多いかもしれません。胸と大きく違ってくるのは、重力を利用できるかどうかです。あまり力まず、最終的には、骨盤の上に肋骨・胸骨が乗っかる様な感覚になってくればポージングはマスターしていると言えるでしょう。

ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoノーマルスタンス09
胸の前傾 と 腰の後傾
ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoノーマルスタンス10
あごの位置を整えれば、ダウンのポージングが完成!

胸のアップ&ダウンは、どちらかが得意なタイプに分かれていることが多いと感じます。どちらの動作も、あまり肩周りを力まず、インナーマッスル(体の中、骨の近くにある筋肉)を働かせるように意識を持つといいでしょう。
とはいえ、熟練の技が必要なテクニックです。最初から完璧を目指さずに、少しずつ理想に近づけていくことをお勧めします。
楽しみながら実践を積み重ねることが、継続の力になります!

6. 胸のアップ+足踏み /
7. 胸のダウン+足踏み

pose.6 & pose.7

さて、いよいよ最後のポージング説明になりました。
胸のアップ&ダウンにプラスして、足踏みを行うことになりますので、実践メニューで一番の難所と言っていいでしょう。
足の上げ方・踏み方について、しっかりと確認していきましょう。

腸腰筋を使って、足を上げる

足を上げたり下ろしたりする動作は、日常生活の中で頻繁に使っていると思いますが、意識的にどの筋肉を使っているか?と考える機会なんてなかなかないと思います。

これから説明するのは、足踏みの準備段階になるので、厳密にいえば今回の7つに入るポージングではなく、足踏みをするための「予備動作」の説明になります
胴体と下半身を繋ぐ腸腰筋(ちょうようきん)というインナーマッスルがあります。足を上げる時、慣れるまではこの腸腰筋を働かせる意識を強く持って練習することをお勧めします。ネクストレベルにも活きる体の使い方です。

どうやったら腸腰筋が使いやすいか?というと、まずは膝を骨盤まで、前方へ上げてみて下さい。初心者のうちは、膝下のみを後方へ上げる動きになることが多くみられますが、今後も見据えた上でお勧めしません。もちろん、スタイルや曲の速さによってそのような足踏みを使うケースもありますが、必要筋力がつかず伸び悩みの原因になるケースがとても多いと感じます。
膝は前方へ!出来れば骨盤まで!
この意識だけで、筋トレも兼ねての練習になるので効率的です。

足踏み+胸のアップ&ダウン

6番目と7番目のポーズの説明に移ります。
どちらも足を踏んだと同時にアップ、もしくはダウンを取るポジションです。
整理しましょう。

  • 6番目のポーズ
    • 足踏み+胸のアップ
      • 右足
      • 左足
  • 7番目のポーズ
    • 足踏み+胸のダウン
      • 右足
      • 左足

ポージングだけで言えば、4番目・5番目のポージングとほぼ同じ姿勢になりますが、大きな違いはその軌道にあります。
両足が動かず、安定していた1〜5番目のポージングに比べ、難易度は格段に上がると思います。

まずはゆっくりと、頭で考えながら以下の手順で動いてみて下さい。例として、右足の足踏みからスタートした6番目のポーズ=アップバージョンでお伝えします。

  1. 腸腰筋を使って右足を上げる
  2. 片足でバランスをとりながら胸のダウンが取れているか?を確認
  3. 右足を踏み込むと同時に、胸のアップ
  4. 踏み込んだ右足へ体重を移す
  5. 左足を上げる(腸腰筋忘れずに!)
  6. 片足で胸のダウンが取れているか?を確認
  7. 左足を踏み込むと同時に、胸のアップ
  8. 踏み込んだ左足へ体重を移す

上記を心の中で唱えながら、ゆっくりと覚えるまで確認していけば、筋肉の使い方、体重移動も自然と身についてくるはずです。
慣れてきたら、手順1と手順2、手順5と手順6を同時に実施して下さい・実践メニューを音で練習するする際には、同時に行う必要があります。

手順のアップとダウンを入れ替えて確認することで、7番目のポーズ=ダウンバージョンも確認することができます。

ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoノーマルスタンス11
腸腰筋(ちょうようきん)は、この辺りの筋肉です
ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoノーマルスタンス12
6番目のポーズ 左右2つあります
ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoノーマルスタンス13
7番目のポーズも 左右2つ
ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoノーマルスタンス14
片足からリズムを取る
ダンス初心者必見!アップ&ダウンの解説!-Howtoノーマルスタンス15
リズムを取った後、足を上げる

足を踏み込むアクセントと、胸のアクセント(アップ、もしくはダウン)を同時に取ることを意識して練習して下さい。まずは、この上半身と下半身がリンクしてリズムを取れるようになれば、初級編はクリアといってもいいと思います。
余談になりますが、熟練度の高いダンサーは敢えて、上半身と下半身のリズムをちょっとだけずらすことでグルーヴィーな表現を可能にしています。

足踏み+胸のリズムは、これから多くのステップやテクニックを練習するためにも不可欠な技術です。焦らずに、ゆっくりと頭を整理しながら進めて下さいね。


YUSUKE a.k.a. GEMINI

著者プロフィール

ダンサー,振付師,写真,映像,Web制作 etc…

16才ダンスを始める→18才プロダンサーとしてキャリアをスタート→20才独立、SPACE ART結成→24才単独自主公演を制作→
27才スクールオープン→念願だった、指導者・クリエイターとしての活動を中心に現在に至っています。
20代は年間100本強のパフォーマンスを3年間継続、その後も50本ほど出演を継続。
20代半ばから月間で150人以上の生徒を指導。その他、スポーツ・体育授業などの運動関連のコンテンツを指導・コーディネート。
30代から本格的にミュージカル・ステージ・MVなどの振付師として活動。行政関係の式典などの演出・構成やダンススタジオのコンサルティングも少々。
およそ月間200人ほどの生徒を指導した15年間を経て、現在はダンスに関わる技術・思考法の伝承に力を入れています。